大阪市の不妊治療クリニックで、「ミトコンドリア」という細胞内小器官を使った体外受精によって妊娠に成功したというニュースがありました。

【ニュース源】小器官移植で2人妊娠 大阪市の不妊クリニック(産経ニュース)

ミトコンドリアとは、細胞の中でエネルギーを作り出す小さな器官です。

今回成功したとされる不妊治療は、不妊に悩む女性の卵巣の細胞を取り出し、その細胞に含まれるミトコンドリアを抽出し、体外受精の際に卵子に移植して、妊娠しやすくするという治療です。

なぜミトコンドリアを卵子に移植するのかいうと、ミトコンドリアが加齢して老化した卵子の質を改善できる(卵子が若返る)と考えられているからです。

今回のニュース記事によると、この治療方法は、海外では270例以上行われ、約30人が出産に至っているそうです。

ただし、このミトコンドリアによる卵子の質の改善は研究途上にあります。改善の効果や安全性(子供への影響など)はまだ明確に分かっていません。

日本では、昨年(2015年)12月12日に、日本産科婦人科学会の倫理委員会が、臨床研究として実施することを初めて承認しました。効果や安全性の研究を進めるために、実施を認めたのですね。

【ニュース源】日産婦:卵子「若返り」承認 ミトコンドリア注入(毎日新聞)

不妊の原因の一つとして、高齢化による卵子の老化が挙げられます。卵子の数の減少や質の低下によって、染色体異常や流産の危険性が高まります。

ミトコンドリアを利用した体外受精によって妊娠率が上がることがはっきりすれば、不妊に悩む夫婦にとって朗報でしょう。今後の研究成果に期待したいですね。